5G時代の到来とともに、5G通信環境を企業等が自営の無線ネットワークとして構築する「ローカル5G」への期待が高まっています。
ネットワンシステムズ様では2020年12月、屋内データセンター環境での実験試験局(4.8GHz帯)を開設。ローカル5Gによる適切なサービスエリア設計の基礎となる知見を蓄積するために、電波伝搬状況の測定実験を実施しました。
ここで導入されたのが、アンリツの電子計測器、エリアテスタとスペクトラムアナライザです。同社の強みである免許不要のWi-Fiと、未知で可能性に富んだローカル5Gとの適切な使い分けを実現するために、測定実験が繰り返されました。
同社は、電波法を遵守してライセンスバンドを運用するためには、高性能の測定器が必要だと判断。アンリツの電子計測器を選定した理由について、先端技術チームの松戸様はこう振り返ります。
「まず製品パンフレットがわかりやすく、計測器の各種表示が日本語対応していたこと。また実機納品までの期間に、数十件におよぶ質問項目に対して非常に丁寧な回答をいただき、絶対的な信頼を置くようになりました」(松戸様)
また、測定データをパソコンへCSV形式で転送できるため、データ解析をパソコンで実行できる点も評価。さらにモジュールの組み合わせやアドオンにより、必要な機能を安価に実現できることも決め手になりました。
実験試験局は、2021年5月までで運用を終了。その間、ITU-Rが勧告する電波伝搬特性の推定式に必要なパラメーターを特定するなどの成果を獲得しています。
2021年6月にはローカル5G実用局の免許も取得。マルチクラウド検証施設「Lab as a Service(LaaS)」の中に無線回線として存在する実用局では、ユーザーがDXに向けて設計した新ICT基盤の機能や運用性を仮想環境で共同実証できます。
さらに、総務省の「地域課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」に、トヨタ自動車を請負者とするコンソーシアムの一員として参加するなど、同社のローカル5Gへの取り組みは今、新たな局面を迎えています。
信頼性の高い電波伝播特性を取得できる、基地局エリア評価用測定器
広い周波数範囲をカバーする、高性能ハンドヘルドスペクトラムアナライザ
社名 | ネットワンシステムズ株式会社 |
設立 | 1988年2月1日 |
資本金 | 122億79百万円(2021年3月31日現在) |
連結社員数 | 2,560人(2021年3月31日現在) |
事業内容 | 世界の最先端技術を取り入れた情報インフラ構築とそれらに関連したサービスの提供、戦略的なICT利活用を実現するノウハウの提供 |
連結売上高 | 2,021億22百万円(2021年3月期) |
本社 | 〒100-7024 東京都千代田区丸の内二丁目7番2号 JPタワー https://www.netone.co.jp/ |