潤工社様の主力製品であるワイヤ・ケーブル&アセンブリ製品は、スーパーコンピュータ、人工衛星、医療用デバイス、半導体製造装置など幅広い先進分野で活用されています。お客様の製品がミリ波などの高い周波数向けへシフトしていく中、同社のミリ波ケーブルは重要部材である誘電体を社内で開発・製造しているため、ケーブルの位相安定性と位相復帰性がきわめて高く、ケーブル曲げや温度変化の測定誤差要因にも強いという特長があります。しかしその性能の可視化は、お客様のユースケースによっては困難であり、同社ケーブルの振幅周波数特性の変動量がきわめて小さいことをいかにして訴求し、お客様にご実感・ご納得いただけるかが課題でした。
同社はアンリツのベクトルネットワークアナライザ(VNA)「MS46122シリーズ」を導入し、ミリ波ケーブルの位相安定性がお客様の求める測定項目に与える影響とミリ波ケーブルの性能の高さを可視化しました。このソリューションは、ケーブル性能評価器「CaPE-K」により測定用の定在波を発生させることでOTA試験環境を再現するとともに、ケーブル曲げ前後における定在波の変化量の差分をVNAで測定してわずかな位相変化量をとらえることで、振幅の周波数特性の変動を可視化するもの。これにより、OTA試験環境でのケーブルの性能差を実証し、同社の高性能なミリ波ケーブルの優位性を明示することができました。
同社はアンリツの試験ソリューションを活用し、ミリ波ケーブルの位相変動による影響を可視化しました。このデモにより、4Gとは測定環境が大きく異なる5GのOTA試験環境で、ケーブルの位相変動による測定値の変動増加や、ケーブルの位相安定性向上が測定精度へどの程度寄与するかが可視化。その結果を受け、大手電子デバイスメーカーや、移動通信キャリア、国の研究機関など、要求水準が高いお客様ほど興味をもち採用に至っています。潤工社様は今後、政府系研究開発機関と連携し、航空宇宙産業や量子コンピューティング分野など極めて高度な信頼性が求められる市場で、高周波数対応のワイヤ・ケーブル&アセンブリ製品を展開する計画です。
治具:ケーブル性能評価器「CaPE-K」:株式会社 川島製作所製
社名 | 株式会社 潤工社 |
設立 | 1954年(昭和29年)4月26日 |
国内外 約750名 | |
事業内容 | 高精度成形加工技術、高次加工技術、ポリマー改質技術を中核技術とし、医療、宇宙、情報通信、半導体領域をはじめ世界中で幅広い産業分野にソリューションを提供 |
主要製品 | フッ素ポリマーをはじめとしたハイパフォーマンスポリマーの成形加工により、ワイヤ・ケーブル、チューブ・継手、フィルム、射出成形品、それらを複合化させた高機能コンポーネンツ製品を提供 |
所在地 | 東京都千代田区神田駿河台2-2 御茶ノ水杏雲ビル15F |
URL | www.junkosha.com ニュース&イベントページ |