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人間の活動領域を広げる、5Gのユースケース

日本では2020年に携帯電話事業者(オペレータ)による5Gサービスが開始され、2024年には人口カバー率が98%を超えました。人間が活動する日本の大抵の土地で、5Gが使えそうです。ちなみに、最近なにかとお騒がせの熊が活動する山奥のエリアで携帯電話が使えないことは昔から変わらず、5Gとは無縁のままです。

※本記事の内容は2024年10月時点の内容になります

日常生活でメリットを実感できない5G

ところで皆さまは、高速通信などの5Gのメリットを、実感していますか? 私は、少し言いにくいのですが、実感できていません。私のスマートフォンは4G LTEでしか通信できず…(会社には内緒。まだまだ使えるし…)。

そんな私ですが、5Gサービスエリアの通信品質を調査する測定器、アンリツが誇る「エリアテスタ」で5G基地局の出力電波を測ったことは何度もあり、エリアが広がってきたことだけは、実感をもって断言できます!

さて、真面目な話、5Gのメリットが感じられないのはなぜでしょう。理由は恐らく、一般の人は4G LTEでも十分な用途、たとえばWebサイトの閲覧やSNSの投稿、動画配信サイトの視聴などでしかスマートフォンを使わずそれで満足なので、5Gのありがたみや、すごさを感じにくいのかと思います。一方で、それでもオペレータは5Gの通信設備に投資している状況です。

5Gの真価とユースケースは何か

皆さまの中には、「ローカル5G」をご存じの方もいらっしゃるかと思います。ここ数年、日本中で数々の実証実験が行われ、5Gの真価である「超高速」「超低遅延」「多数同時接続」などの特長を生かした、4G LTEでは実現できない新たなユースケースが検証されています。たとえば、即時の遠隔制御、高精細な映像による確認が必要な製造ラインやバスの自動運転、そして遠隔医療です。今後これらが普及することで、多くの人が日常生活で5Gのメリットを実感することができるようになるでしょう。

ところで、「XR(Extended Reality)」をご存じでしょうか。ヘッドマウントディスプレイなどを使用して現実世界と仮想世界を融合し新たな体験が得られる技術で、日常生活でもビジネスでも近い将来に身近になりそうです。大量のデータを高速かつ低遅延で通信する必要があり、ここでも5Gの真価が発揮されます。自宅に居ながら実際に宇宙旅行した気になれるかも!と勝手に想像してワクワクします。レイトマジョリティな私も、ここで心置きなく5Gに乗り換えられそうです。

人間の活動領域の拡大に寄与

今、通信衛星や無人飛行機が5G基地局となって地上のスマートフォンと通信する「5G NTN」への期待が高まっています。地上のどこにいても5Gスマートフォンが使えるようになる、というわけです。人間活動の領域が一層広がるこのソリューションこそ、人間の本能を刺激する5Gのキラーコンテンツとなる可能性があります(大げさかも…)。ちなみに、歩きスマホの最中に熊の活動エリアにまでうっかり入り込んで熊の本能を刺激してしまうという、新たなリスクが生まれることもお忘れなく!

 

少し宣伝です。
アンリツでは、お客さまとの共創空間「ローカル5Gラボ」を開設しています。
実際の5G基地局を使用しながらの自律走行ロボットやドローン、映像伝送のデモや、通信評価などで、お客さまの「知りたい」や「解決したい」をお手伝いしています。