初心者向けマニュアル作りのコツ

あなたは新入社員だったときや転職をした際、どのように新しい仕事を覚えましたか?
上司や先輩のやり方を見て学んだ、先輩がOJTでついてくれた、などさまざまでしょう。しかし、そうなると人により仕事の進め方がバラバラになってしまいます。誰でも、同じクオリティで業務ができるようにマニュアルを作りませんか? 今回は初心者向けマニュアル作りのコツや注意点をご紹介します。
マニュアルがあったほうがいい業務
まず、「マニュアルはどの業務にもあったほうがいいか」というと、そうではありません。業務内容によって、マニュアルがあったほうがいいもの/ないほうがいいものに分かれます。
<マニュアルがあったほうがいい業務>
- 手順や判断基準が明確な業務
- 作業自体は簡単だが手順が多い業務
- 知識や経験が不問な業務
逆にマニュアルがないほうがいいものとしては、自分で考えて動かなければならないような業務、たとえば経営企画や商品開発、デザイン制作など、独自のスキルや能力が重要となる業務が挙げられます。
マニュアルがあることで、品質の均一化以外にも業務効率化、属人化の防止などのメリットがあります。また、特に新入社員は手順が明確になっていることで、安心して業務を進められるでしょう。
作成の際の注意点
まずは項目を洗い出してから文章を書いていきます。その際の注意点として、以下が挙げられます。
- 対象者を意識する
対象者が新入社員であれば、業務経験がない状態です。専門用語は使用せず、わかりやすい言葉や表現で説明しましょう。また、中途入社や異動者の場合でも同様です。特に用語は正確に記載しましょう。たとえば弊社ですと、「フィールドマスタ プロ」という名前のスペクトラムアナライザを営業部ではフィールドマスタ プロ、管理部門では略してプロと呼んでいる場合があります。マニュアルでは正確な用語を使い、呼称も伝えるようにしましょう。
- 手順を具体的に示す
順を追って、作業内容を記載します。文章だけでは伝わりにくい場合は、PC画面のスクリーンショット、機械の操作の場合は写真を挿入し、理解しやすいようにしましょう。短い動画も効果的です。
- 簡潔になりすぎず、詳細になりすぎない
簡潔に書きすぎてわかりにくいためにミスが起こるようではNGですし、わかりやすく書こうとして文章が冗長になると読むのが嫌になってしまいます。マニュアル完成前にその作業を知らない人に読んで、作業してもらい、過不足がないか、ミスが起きないかを確認するとよいでしょう。
- 間違えやすいポイント、エラーを記載する
間違えやすいポイントは目立つように記載しましょう。また、たびたびエラーが起こるようなら対処法も記載しておきます。
- 更新性を考える
マニュアルがツールの使い方であればツールのUI変更が起きる可能性もあります。また、そもそも業務の内容が変わることもあります。定期的に見直し、最新版がどれかわかるようにファイル名も一定のルールを設けて管理します。最近はマニュアルを作るアプリやツールもあり、即時で更新することができて便利です。多くの人が利用するマニュアルであれば、アプリやツールを使うのも一案です。
マニュアル化による弊害も
マニュアルは便利で業務効率化にも役立ちますが、マニュアルに頼りすぎると突発的なトラブルに対応ができない、そもそもあったミスや、より効率的な方法があることに気が付かないといった弊害もあります。「マニュアル通りにやればいい」とならないように作業の意図や目的、重要な部分は口頭で伝えるなどして、マニュアルを超えた業務ができるように教えていきましょう。