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開発者必見!IoTデバイス開発の注意点

小学生の子供や、離れたところに住む甥と一緒にオンラインゲームで遊ぶようになり、数十年ぶりにどっぷりゲームの世界にはまっています。いまはゲーム機があたりまえのようにインターネットに接続でき、時間や場所を超え、いつでも、誰とでも一緒に冒険ができることに感動が止まりません。

閑話休題。無線LANモジュールを搭載したIoTデバイスを開発中に、アクセスポイントへの接続が上手くいかないという経験はありませんか? 測定器メーカの視点から、よく遭遇する問題とその解決策の例についてご紹介します。

接続できない主な原因と対処法

無線設定や接続の問題

開発現場でよく見られるのが、基本的な無線LAN設定の誤りです。初歩的なミスのようですがSSIDやパスワードの設定ミスはよくおこります。特に開発段階では、複数のテスト用の設定が混在したり、アクセスポイントやIoTデバイスの設定が通常と異なったりしていることがあります。また、IoTデバイスからの無線信号が適切な強度でアクセスポイントに届いていないケースもあります。

周辺デバイスからの干渉問題

無線LANモジュールが単体では完璧に動作していても、IoTデバイスの本体に組み込んだ途端に問題が発生することがあります。よく知られているのは、USB 3.2デバイスを接続した際の2.4 GHz帯への干渉です。

効果的なトラブルシューティング

基本設定の確認から始める

SSIDとパスワードの確認、アクセスポイントとIoTデバイスの接続設定に問題が無いか確認しましょう。同じアクセスポイントに市販のIoTデバイスを接続してテストすることで、問題の切り分けができます。基本設定に問題ない場合は電波状態を確認します。弊社のワイヤレスコネクティビティテストセット MT8862Aを使い、IoTデバイスからの電波強度が正しいかをテストすることができます。

電波強度の確認

ノイズ(干渉)対策

ノイズ干渉の原因特定には、スペクトラムアナライザが重要な役割を果たします。測定により、周辺デバイスからの干渉を正確に把握することができ、周辺デバイスやアンテナの設置位置変更などの有効な対策を講じることが可能になります。

一例として、弊社のスペクトラムアナライザ MS2830Aを使った電磁ノイズの測定事例をこちらからご覧いただけます。
導入事例:株式会社 村田製作所様USB 3.2通信の電磁ノイズ問題に対処

まとめ

電波強度やノイズ(干渉)の問題に対しては、一例として、ご紹介したような専用の測定器を活用することで、より正確な原因特定と解決が可能になります。

目に見えない無線通信の問題は原因が把握できずに解決に時間がかかることが多いと思いますが、体系的なアプローチと適切な測定器の活用により、必ず解決への道は開けます。この記事でご紹介した手順も参考に、皆さまのIoTデバイス開発が成功することを願っています。