ものづくりの知っトク

測定器は通信規格と追いかけっこ

あなたは、どんなタイミングで新しいスマートフォンやパソコンなどを購入しますか?入学、入社や職場の異動など環境が変わるタイミングで購入する人も多いですよね。

毎年のようにリリースされる通信規格

IoT機器やパソコンなら無線LANやBluetooth®技術、携帯電話会社と契約するスマートフォンならモバイル通信の機能が搭載されています。これらの通信規格は高速化、低遅延、低消費電力などを目的に次々とリリースされています。2024年には5G規格である3GPPのRelease-18が確定し、Bluetooth 6.0がリリースされました。無線LANのIEEE 802.11beも仕様が確定し、2025年にリリースされる見込みです。

測定器の開発は、検討段階の通信規格を読みながら

無線装置メーカは、製品開発における試作品評価の段階から、新しい通信規格に対応した測定器が必要です。測定器メーカは、無線装置メーカが必要とする時期よりも前に測定器を提供できなければなりません。そのため、新規格に対応する測定器の開発はもっと早い時期に始めなければなりません。

例を挙げると、日本では、モバイル通信の5Gは2020年夏の東京オリンピックまでに導入することを目標としていました。そうすると2020年の春には5G対応の端末や基地局が市場に出ているので、その1年くらい前にはそれらの試作品ができていなければなりません。試作品に組み込む5Gに対応したICチップの評価はさらに半年前に行う必要があり、遅くとも端末や基地局が市場に出る1年半前には5G規格に対応した測定器が必要になります。ということで、この時期に間に合うように測定器の開発を始めなくてはならないのです。

そんなわけで、無線装置メーカの製品やICチップの評価時期をにらみながら、アンリツも通信規格の動向を注視しています。通信規格の検討段階から情報を入手して、規格の策定と同時進行のような形で測定器の開発をしています。

通信規格の追加に合わせて測定器もバージョンアップ

他の業種の製品でも同じだと思うのですが、業界規格が改定されたからと言って、一から製品を作り直しということは無いと思います。
アンリツの測定器も新しい通信規格に対応するたびに製品をバージョンアップします。多くの場合はオプションとして、新規格対応のために必要なハードウェアやソフトウェア部分を販売します。新規格への対応がオプション追加で済まない場合は、モデルチェンジをすることもあります。対応する通信規格のオプションについてカタログで説明していますが、わからない点がありましたらアンリツの営業にお問い合わせください。

年度の変わり目には、みなさんのチームも新メンバーが加わり、新しいプロジェクトが始動することと思います。アンリツもこれから出てくる新規格に対応するべく、新製品開発を進めてまいります。

無線LANとBluetoothの規格について、詳しくはこちら>

 

Bluetooth®のワードマークおよびロゴは、Bluetooth SIG, Inc.が所有する登録商標であり、アンリツはこれらのマークをライセンスに基づいて使用しています。