スペアナと仲良くなるためのRBWとVBWの理解

「パソコンのデータをUSBに保存して!」なんて頼まれて、「USBは単なる規格の名前なんだよなあ」なんて、ぶつくさ言いつつも、意を汲んで “USBメモリ”に保存してあげた、なんて経験はありませんか?
アルファベット3文字の略語のなかに、さまざまな意味が含まれていると勘違いしてしまいがちな現代人。そもそも何を略したのかも知らずに言葉を使っているものだから、そうなってしまうのも必然なのかもしれません。日本人むけに、平仮名で3文字にできないのかな…。
スペクトラムアナライザで使われるアルファベット3文字
たまにスペクトラムアナライザ(スペアナ)をSPAなんて書く人がいますが、そういった話ではありません(笑)。スペアナを使ったことがある人はわかると思いますが、測定するときに必ずお世話になる言葉が、RBWやVBW。指示された数字を設定しているから、それが何なのか気にしたことがない、という人もいるかと思います。今回は、そんなRBWとVBWのお話を少しだけします。
RBW
RBWはResolution Bandwidthの略で、日本語では「分解能帯域幅」と言います。RBWは、スペアナの周波数方向の一つ一つの測定ポイントで使用されるBPF (Band Path Filter)として機能しています。試しに、数字を大きくしてみたり小さくしてみたりしてみてください。測定波形が荒くなったり、逆に詳細な波形が見えてきたりするかと思います。
こうやって、測定の分解能を変えることができます。また、同時に掃引のスピードやノイズのレベルも変化します。これを適切な数字に設定することで、より正確な波形観測ができるようになります。なんか変な波形と思ったら、RBWの数字が大きすぎるのかも? でも、数字を小さくしすぎると、掃引が進まずに待っていられなくなる可能性も(汗)。
VBW
VBWはVideo Bandwidthの略で、日本語では「ビデオ帯域幅」や「ビデオフィルタ」などと言います。測定波形の"見ため"を決めるもので、波形の信号レベルの変動を少なくするためのLPF (Low Path Filter)ローパスフィルタとして機能しています。設定する数字によって、波形が滑らかになったり、逆にギザギザが見えてきたりします。
これもやりすぎは禁物で、レベルの変動がある信号(例:バースト信号)の測定では、数字を小さくしすぎると、正確な波形が表示されなくなってしまうケースがあります。
RBWやVBWの数字を実際に変えて測定波形の変化を体感してみると、スペアナにお近づきできて、仲の良い楽しいお友達になれると思いますヨ。
もっと詳しい話は、アンリツの「測定のツボ」でご紹介しています。
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