ものづくりの知っトク

眠れぬ夜に感じる「受信感度」!?

その昔、インターネットなるものがなかった筆者の小学生や中学生のころ、情報を入手する手段や、娯楽のための主要な道具の一つにラジオがありました(いや、今でもありますが影が薄い)。深夜に大阪の寝床で東京のAMラジオの声を聞いて楽しんだり、旅行先の青森ではどれだけ遠くのラジオ局が聞こえるか試したり、我ながら変な楽しみ方をしていました。放送の内容は雑音で聞けないことが多いけど(笑)。

ラジオで感じられた受信感度

ラジオは、昼と夜やAMとFM、天候によってどれだけ遠くの放送局が受信できるかが違うため、当時は日常的に多くの人が電波の性質や受信感度を身近に感じていました。一方で、ラジオと同様に電波を使うスマートフォンは雑音のないきれいな音しか聞こえないので、現代は身近なようで、実は意識されなくなっている世界になりつつあるようです。

そのうち、「アンリツは電波を測る道具を作る会社」と世間にアピールしても、親しみを持ってもらえなくなる可能性が!! 将来が恐ろしすぎる…。

それはさておき、今回は電波の受信にまつわるお話を少々。

受信感度と信号発生器

電波環境が同じ場合、受信感度が良い(電波のパワーが低くても受信できる)ラジオほど遠くの放送局の声を聞くことができます。他の電波を使う無線機も同じで、受信感度が良いほど通信距離が長くなる傾向にあります。無線機の電波の最大送信パワーは電波法で上限が決められているので、通信距離を長くしたい場合、受信感度の良さは重要な性能です。

さて、その受信感度はどうやって測っているのでしょうか。無線機の種類によって違いますが、簡単に言うと、設計や製造検査の際に、信号発生器などの電波発信源を使用して、どこまで小さいパワーの電波を受信できるか、または仕様にあった感度があるか確認しています。その電波発信源は、無線機が受信できる最低パワーよりも、さらに下回るパワーが出力できるものでないといけません。そうしないと、無線機の本当の受信感度性能がわからないためです。

信号発生器の重要な役割の一つは、無線機の受信感度をさらに下回る正確なパワーの電波を繰り返しきれいに出力することです。特に出力するたびにパワーが安定しない場合、検査に使う電波発信源としては不適当ですからね。

デジタル変調の受信感度測定

ラジオはAMやFMといったアナログ変調を使用しています。しかしアナログ変調はいまや絶滅危惧種。いま主流の無線機は、デジタル変調のものになっています。その受信感度の測定では、一般的にはデータ通信におけるBER(Bit Error Rate)やPER(Packet Error Rate)などの指標も使用しています。信号発生器が出力する電波のパワーを低くし、どの程度でデータ通信のエラーが出るかを見ているわけですね。

この先のちょっと詳しい話は、アンリツの「測定のツボ」でご紹介しています。

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