ものづくりの知っトク

無線測定器にも事情がある

私の家族は「スマートフォンでWi-Fi使うってどういうこと?!」と質問してきます。何度説明しても携帯電話網とWi-Fiの違いを理解してくれず、少し寂しくなりますが、同時に「この世界、やっぱり特殊だな」と実感します。アンリツ社員である以上、これはもう宿命。今回はそんな“特殊な話題”を、できるだけ肩の力を抜いてご紹介します。

専用測定器が存在する背景

無線機業界では、標準的にスペクトラムアナライザが測定器として使用されます。だたし、無線機が使用する通信システムにはAMやFM、無線LAN(Wi-Fi)、Bluetooth®無線技術、携帯電話の5G・4G(LTE)、IoTのLoRa・Wi-SUN、テレビ放送のISDB-T・DVBなどさまざまな方式があります。これらの中には、無線通信の評価のために専用の測定器が使用されている場合があります。仕事で測定器を使うことの多い人であれば、「なんで1台で全部できないんだ!」と、少し憤りを感じる方も多いことでしょう。

一部の無線機に専用測定器が存在するのは、ご想像の通り、ニーズや用途の違いから専用にしないといけない事情があるからです。そりゃあそうだろ、と思う方も、少しお付き合いください。今回はあまり馴染みのない方への簡単な説明でして…。

なぜ1台に集約できないのか

単純に考えれば、スペクトラムアナライザにどんどん測定機能を追加すれば、どんな無線機でも測れるようになるだろうと思うのが自然なところです。しかし、無線システムの通信規格で決められた評価項目に従えば、スペクトラムアナライザに機能を追加するよりも専用機能に限定したほうが過剰な機能を省けてリーズナブルに提供できるケースがあります(お客さまに優しい)。

また、特殊な測定要件がスペクトラムアナライザで実現できず、専用設計をしなければならないケース(やむを得ない選択)もあります。さらに、想定されるユーザ数や将来性も、専用測定器にするかスペクトラムアナライザへの機能追加で実現するかの分かれどころだったりもします。この他さまざまな検討要素を考慮してバランスをとった最終的な解が、皆さまの目の前にある測定器ということなのです。

測定器の多さに疲れたら

測定器が生まれた過程には、いろいろな事情が混ざり合った背景があります。もし測定のたびに測定器の入れ替えが面倒に感じても、こんな背景を想像すれば測定器の身になって「しかたないな~」と、広い心で愛着を持って測定に専念できるようになるかもしれません。

 

このコラムを読んで、どんな分野で専用測定器があるのか気になった方は、アンリツの電子計測器総合カタログを眺めてみてください。5G/4G(LTE)や無線LAN(Wi-Fi)、Bluetooth®無線技術向けの、専用測定器もご紹介しています。

 

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