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開発と営業が衝突する理由あるあるTOP3

ものづくりを生業とする企業には、開発を担うチームと営業販売活動を担うチームが存在しますが、そこにはしばしば衝突が発生します。お互いの言い分にはもちろん一理あるものの、どこまでも折り合わず平行線をたどることも珍しくありませんよね。今回は、そんな「ものづくり企業」に付き物の「開発と営業が衝突する理由」を3つ、考えてみたいと思います。

目標の違い

同じ企業の中にあっても、開発と営業とでは目指すものが異なります。
開発は、多くの場合、高性能で高品質な製品やサービスを開発することが目標となり、ナマの「数字」達成を意識することは稀です。一方で営業は、市場や顧客との接点を増やし、製品やサービスを売り、利益を生み出すことが求められます。よく聞く「数字」の達成が目標になるのです。

直接的な「数字」を求められるかどうかは、開発と営業の立場の大きな違いであり、しばしば対立の原因になりますよね。

商品に対する価値観の違い

ビジネスの最前線に立つ営業は、顧客ニーズを敏感に感じ取りそれを満たす製品やサービスの提供こそが大切であると考えます。開発は、機能や性能が優れているのは当然としても、自社の技術力で品質や納期、完成度などを十分に満足できることをより大事にする傾向があります。そのため、営業は無理難題を押し付けてばかり、開発は背伸びをしない無難な開発しか行わない、という状態に陥りがちです。

しかし、営業が商品開発の難しさを理解していることは稀ですし、市場や顧客に直接接することのない開発にそのニーズを深く理解しろというのもまた、難しい話ですよね。

スケジュールの考え方の違い

仕事にはスケジュールがつきものですが、ここにも開発と営業の考え方の違いが現れます。
開発は、しっかりと仕様を決定し、それを満たす部品調達や製造工程、性能評価日程まで十分に考慮したスケジュールを組み、それを確実に守ることを重視して仕事を進めます。一方で営業は、「とにかく早い」スケジュールを想定して動く傾向があります。事情はさまざまで、たとえばお客さまの希望納期に合わせるためだったり、競合企業に先んじて注文を受けるためだったりしますが、いずれにしても臨機応変かつ「なるはや」な対応を求めます。

その結果、開発は「そんなスケジュールでは作れない!」、営業は「そんなスケジュールでは注文が取れない!」とお互いに譲らず、衝突の火種になってしまうのです。

 

なんだか、開発と営業は決してわかり合えない永遠のライバルのようにも思えてきます。でも、こんな場面でこそ大事になるのがコミュニケーションです。お互いに自分の考えとその背景をしっかり伝えあい、尊重することが大切です。また情報共有を徹底することで、誤解やトラブルを防ぐことができます。

たとえば、開発と営業を交えたプロジェクトチームを社内に立ち上げて、調整機能を持たせることが効果的な場合があります。「ここから先はどうしても無理!」な条件を関係者全員で共有すれば、無茶な要求は通しづらくなります。
また、お客さまと営業のミーティングに開発も一緒に参加し、お客さまの生の声を直接聞くのも良いかもしれません。「営業が大げさに言っていたわけじゃなかった!」というのもよくある話です。

開発と営業、両方にとって共通の目標は「売り上げをあげること」。密なコミュニケーションで、開発と営業の衝突の火種を消して、売り上げを伸ばしていきましょう!