
ネットワークアナライザの内部構造(後編)~信号の流れ~
前編でご説明したベクトルネットワークアナライザ(以下、VNA)を構成する3つの基本要素、信号源・カプラ・受信器に信号の流れを加え、図1 順方向の処理(S11、S21)、図2 逆方向の処理(S22、S12)をそれぞれ説明します。
まず順方向特性測定から説明します。
図1 順方向処理の流れ
信号源からDUTに順方向に流れていく信号は、VNA外部に出力される前に、一つ目のカプラで分離され受信器a1で信号レベルを測定します。
その後カプラを二つ通過し、そのままDUTの入力端に到達した信号は、一部がDUTで反射してVNA側に戻り(緑線の流れ)、二つ目のカプラで分離されて受信器b1で反射レベルを測定します。
一方DUTを伝達した信号は、VNA内部の三つ目のカプラを通過し受信器b2で信号レベルを測定します。
a1,b1,b2が測定されましたが、b1とa1の比率(b1÷a1)は、順方向の入力反射S11、b2とa1の比率(b2÷a1)は順方向の伝送特性S21となります。
次に逆方向特性の測定です。
図2 逆方向処理の流れ
VNA内部で信号源を、順方向測定と逆方向測定で共用している場合は、信号源横のリレーで逆方向測定用に切り替えます。
信号源から出た信号は、まず一つ目のカプラで分離され受信器a2に入力し信号レベルを測定します。
VNAから出力した信号は、DUTで一部が反射し(緑線の流れ)、VNA側に戻ってきますので、それを二つ目のカプラで分離し受信器b2に入力され反射レベルを測定します。
また、DUTを伝送した信号はVNAの中のカプラを経由し受信器b1で信号レベルを測定します。
このa2,b2,b1のうち、a2とb2を比較すれば、逆方向反射特性S22となり、b1とa2を比較することで逆方向伝送特性S12が計算できます。
VNAによっては、順方向用、逆方向用に独立した信号源を持っているものもあります。
その場合は方向切替のリレーが不要になり信号源の損失が減ることから、より大きな信号を出力できたり、測定時間が短縮できたりしますが、その分高価なシステムになります。
以上
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