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無線設備の受信性能とは?

受信性能とは?

 私たちの普段の生活の中で携帯電話/スマートフォン、パソコン(無線LAN/Bluetooth)、テレビ放送などさまざまな無線設備を利用しています。
大部分の無線設備は信号を送る側(送信)とその信号を受ける側(受信)で音声/映像/データなどを通信します。その受信側の能力を『受信性能』と言います。

 例えば『視力検査』で考えてみましょう。一般的に、視力が「良い」方が遠くのものがはっきり見えて、視力が「悪い」と遠くのものがぼやけて見えます。
その『視力』を判断するために実際に屋外に出て遠くのものを見て確認する、ということはありませんね。
皆さん健康診断などで視力検査表を利用したことあると思います。
C(ランドルト環)」の向きを当てますが、より小さい「C」が見えるほど視力が「良い」と判定され、「C」の大きさによって「視力2.0」など数値で示すこともできます。

202205-測定のツボ図1.png


受信性能と受信評価

同じように、無線設備も「どの程度の距離まで離れて受信できるのか」という『受信性能』を評価します。
ここで、無線機から送信された電波は空間を飛んでいる距離が長くなるほど弱くなるという性質があります。
送信側と受信側の距離が離れるほど受信側に届く電波は弱くなりますが、受信性能が「良い」無線設備であるほど弱い電波でも受信できるということになり、つまり遠くに離れても通信ができるという『受信性能』を示すことができます。

202205-測定のツボ図2.png距離 短い=電波 強い
距離 長い=電波 弱い

しかし身の回りにある無線設備で求められる通信距離は、サービスによって数cm~数十kmなどさまざまです。
実際に屋外で通信しながら電波の到達範囲を確認するという方法は、視力検査と同様に困難であり定量的な評価もできません。
そこで『受信評価』では、送信側の信号を模擬できる信号発生器を利用します。
送信側と受信側の距離が離れるほど電波は弱くなるので、これを模擬して信号発生器の送信レベルを徐々に下げることによって、無線設備の受信レベルを調整して距離が離れた状況を再現します。
この状況で受信側の通信の可否を確認します。
一定の条件をクリアした受信レベルによって『受信性能』を定量的に示すことができます。

202205-測定のツボ図3.png


受信性能の目標値

では受信性能の目標値は、どのように決められているのでしょうか?
例えば視力の場合、自動車の運転免許を取得するためには「両眼で0.7以上かつ一眼で0.3以上」という合格基準がありますね。
これは安全に車を運転するために決められている条件です。
無線設備も同様に、それぞれのサービスで安定した通信を維持するために『受信性能』の目標値や評価方法が決められています。
皆さんが普段利用されているスマートフォンだと一般的に端末と基地局の通信範囲は数km、無線LANは数十m~数百mなどサービスによって必要な通信距離はさまざまです。
さらに、それらの無線設備を提供するメーカや機種もたくさんあります。
そこで無線設備は、通信方式などによって3GPPIEEEARIBなどの規格があります。
そこで規定されている『受信性能』をクリアすることを各メーカで評価されているので、身の回りにある多種多様な無線の通信品質やサービスが安定して利用できています。
 

『受信性能』の評価項目の中に『最小受信感度』という試験があります。
これは文字通り最も弱い受信レベルでも無線設備が受信できることを確認するものです。
ほとんどの規格で該当する試験がありますが、目標値や試験方法は異なります。

次の機会に、『最小受信感度』の内容についてご紹介します。


以上

※本記載内容は2022年5月1日現在のものです。


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