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無線設備の送信評価で使用する測定機能<第1弾>  ~周波数カウンタ~   

 

無線設備規則は、周波数、占有周波数帯幅、隣接チャネル漏えい電力、スプリアス発射、空中線電力など無線設備等に関する条件を規定する総務省令です。
1弾では、周波数の評価で利用する測定機能として周波数カウンタについてご紹介します。

周波数の許容偏差:

私たちの身の回りには様々な無線設備があります。そして、それぞれの無線設備が使用できる割り当て周波数周波数の許容偏差が規定されています。
  コチラも合わせてご覧ください:「無線設備規則<第1弾> ~ 周波数の許容偏差 ~

周波数の許容偏差は、無線設備規則の第五条および別表第一号に規定されていますが、これは百万分率で記載されています。
日常生活で、パーセント[%]を目にすることは多いと思います。これは100分の1の単位で割合を示す方法であり百分率とも言います。
同様に百万分率1,000,000分の1の単位で割合を示します。例えば『3/1000000』であれば『3×10-6『3 ppm』と記載します。ppmPart Per Million の略なので、同様に100万分の1を意味します。
仮に、搬送波の割り当て周波数が400[MHz]で許容偏差が3[ppm]の場合、許容される偏差は次式で求められます。

  400 [MHz] × 3 [ppm] = 400×106 × 3×10-6 1200 [Hz]

百分率  [%]  100分の11/100
百万分率 [ppm]  1000000分の11/10000001×10-6

測定機能:周波数カウンタ

周波数の偏差を測定する方法/手順は、それぞれの無線設備に対応する証明規則に準じて評価します。そして証明規則には、測定器の条件として 周波数カウンタ もしくは スペクトラムアナライザ を使用することが記載されているケースがあります。

周波数カウンタは、文字通り周波数を測定する機能に特化しているので、測定対象の信号を周波数カウンタに入力するだけで周波数が表示されます。(メーカ・機種により測定できる周波数範囲・レベル範囲が異なったり、ゲート機能・パルス測定機能など少し複雑な設定もありますが、ここでは割愛します。)

スペクトラムアナライザにも、周波数カウンタ機能を内蔵した製品があります。他の評価項目(占有周波数帯幅、スプリアス発射、隣接チャネル漏えい電力など)ではスペクトラムアナライザを使用するので、周波数カウンタ機能も内蔵していると評価設備を集約できて便利です。

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202301-測定のツボ図1-2.png

周波数カウンタ

MF2410シリーズ

スペクトラムアナライザ(シグナルアナライザ)

MS2830A/MS2840A

周波数カウンタ機能 標準内蔵

1 アンリツ製品:周波数カウンタ・スペクトラムアナライザ


測定機能:スペクトラムアナライザの周波数カウンタ機能

例えばアンリツのスペクトラムアナライザMS2830A/MS2840Aの周波数カウンタ機能を有効にすると画面左上にCntとして表示されます。
ここでCntの上にも周波数が表示されていることにお気づきでしょうか?
これはマーカ機能の周波数です。「マーカ機能で周波数(の偏差)を測定できないのか?」というご質問も時々いただきますが、これはおすすめできません。

202301-測定のツボ図2.png

2 MS2830Aの周波数カウンタ機能の画面表示例


例えば図
3のように信号発生器の出力信号の周波数をMS2830Aで測定します。
信号発生器の周波数を少しずらした場合、周波数カウンタ機能では測定できていますが、マーカ機能では測定できていないことがわかります。
スペクトラムアナライザは、画面上にある多くのトレースポイントをつなげて一つの信号として表示します。
仮に、画面の周波数幅が
1[MHz]、トレースポイントが1001(間隔1000個)とすると、1つのポイント間隔は1[kHz]です。
そのためポイント間隔よりも小さい周波数の変化を捉えることができませんし、
1ポイントずれただけで1[kHz]変わります。

202301-測定のツボ図3.png

3 マーカ機能と周波数カウンタ機能の測定例



202301-測定のツボ図3-1.png
202301-測定のツボ図3-2.png

3-1 MS2830A測定画面例

信号発生器 400 [MHz]+200 [Hz]

3-2 MS2830A測定画面例

信号発生器 400 [MHz]+300 [Hz]


測定器に求められる確度

無線設備の周波数を測定するため、周波数カウンタは無線設備よりも高い精度が求められます。
  コチラも合わせてご覧ください:「無線設備規則<第1弾> ~ 周波数の許容偏差 ~

無線設備の証明規則では、一般的に周波数カウンタの精度は「無線設備に規定する許容値の1/10以下」という記載があります。
例えば、無線設備の許容偏差が
『3×10-6であれば、測定器に求められる精度は『3×10-7になります。
仮に、搬送波の割り当て周波数が400[MHz]で許容偏差が3[ppm]の場合、周波数カウンタの精度は0.3[ppm]となり次式で求められます。

  400 [MHz] × 0.3 [ppm] = 400×106 × 0.3×10-6 120 [Hz]

周波数カウンタの精度の確認方法については、メーカ・機種・オプションによって異なります。
測定対象の無線設備の許容偏差を確認し、使用する周波数カウンタの精度をカタログ等で確認してからご利用ください。
                                          



 以上

※本記載内容は2023年1月1日現在のものです。


 【 周波数カウンタ機能を持ったスペクトラムアナライザのご紹介 】                                   

スペクトラムアナライザ MS2830A
スペクトラムアナライザ MS2840A
ハンドヘルドスペクトラムアナライザ MS2080A  MS2090A  MS2720T  MS271xE  S412E



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アンリツ株式会社 通信計測カンパニー グローバルセールスセンター 通信計測営業本部 第1営業推進部

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