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無線設備の送信評価で使用する測定機能<第2弾>  ~占有周波数帯幅~ 

 
<参考>第1弾:周波数カウンタ はこちら 

 

無線設備規則は、周波数、占有周波数帯幅、スプリアス発射、空中線電力、隣接チャネル漏えい電力など無線設備等に関する条件を規定する総務省令です。
2弾では、スペクトラムアナライザの占有周波数帯幅の測定機能についてご紹介します。

占有周波数帯幅の許容値:

私たちの身の回りには様々な無線設備があります。そして、それぞれの無線設備が使用できる割り当て周波数が規定されています。
占有周波数帯幅は無線設備規則の第六条および別表第二号に記載されています。別表第二号では、測定対象となる無線設備等の「電波の型式」などに応じて、それぞれの許容値が規定されています。

一般的には占有周波数帯の許容値は、割り当て周波数(チャネル間隔)と同等もしくは狭い値になっており、多くの場合は自身が出力している電力の99%を占める周波数幅で規定されます。
(一部99%ではない無線設備もあります。詳細は無線設備規則等をご確認ください。)

コチラも合わせてご覧ください:「無線設備規則<第2弾> ~ 占有周波数帯幅 ~


測定機能:占有周波数帯幅

占有周波数帯幅を測定する方法/手順は、それぞれの無線設備に対応する証明規則に準じて評価します。
99%の周波数幅を測定するケースを例とすると、無線設備の証明規則等ではスペクトラムアナライザで掃引した全データ点をコンピュータに取り込んで、画面上の全電力に対して下側0.5%と上側0.5%の電力になる周波数位置を算出することになっています。
しかし、一般的なスペクトラムアナライザには占有周波数帯幅を測定する機能が実装されていますので、「全データをコンピュータに取り込む」という手間はなく、スペクトラムアナライザ内部で自動的に計算して測定結果を表示します。

 

202302-測定のツボ図1.png図1 アンリツ製品:占有周波数帯幅・スペクトラムアナライザ

占有周波数帯幅の測定機能について、弊社のMS2830Aをサンプルとして解説します。
測定機能を利用する前に、中心周波数・掃引周波数幅(スパン)、分解能帯域幅(RBW)・ビデオ帯域幅(VBW)・トレースポイント・検波モード・掃引時間などスペクトラムアナライザの基本的なパラメータを設定します。これは前述のとおり、それぞれの無線設備に対応する証明規則に記載されている条件に合わせて設定します。

基本設定が終わったら、あとは測定機能を有効(On)にすれば自動的に測定できますが、ここで測定方法として下記の2つから選択できます。これも証明規則に準じた方法を選択します。ここでXdBおよびN%の値は任意に設定できます。

  •   XdB モード:画面上のスペクトラムのピークからXdB低い2点の周波数幅
  •   N% モード:画面上のスペクトラムの『N%』の電力を含む周波数幅

測定結果は、選択した測定方法に応じて計算された値が画面に表示されます。一般的には占有周波数帯幅のみを表示しますが、メーカ・機種によっては下側周波数・上側周波数・中心周波数も表示します。(2参照)



202302-測定のツボ図2.png図2 占有周波数帯幅(OBW)測定画面例
(許容値7.1 kHzの測定例)


スペクトラムアナライザのパラメータ設定の注意点:

~ 掃引周波数幅(スパン)は広すぎず、狭すぎず! ~

前述のとおり、占有周波数帯幅の測定機能は画面上の全電力に対して下側0.5%と上側0.5%の電力になる周波数位置を自動的に算出します。(99%の周波数幅を測定する場合)

例えば、設定した掃引周波数幅がチャネル幅よりも広すぎると画面の分解能が粗くなります。(※画面の分解能=掃引周波数幅÷トレースポイント) すると下側周波数・上側周波数の測定精度が粗くなるので、結果として占有周波数帯幅の精度も粗くなります。(3-1参照)

逆に、設定した掃引周波数幅がチャネル幅よりも狭すぎると、下側0.5%と上側0.5%の電力を求める際に本来の占有周波数帯幅よりも狭い値になるリスクがあります。(3-2参照)

そのため、それぞれの無線設備に対応する証明規則では、一般的に周波数幅を「許容値の約23.5倍」に設定するように条件が指定されています。



202302-測定のツボ図3-1.png

202302-測定のツボ図3-2.png

3-1:占有周波数帯幅(OBW)測定画面例

             (掃引周波数幅が広すぎる場合)                            


図3-2:占有周波数帯幅(OBW)測定画面例

(掃引周波数幅が狭すぎる場合)


                                     



 以上

※本記載内容は2023年2月1日現在のものです。


 占有周波数帯幅の機能をもったスペクトラムアナライザのご紹介                                   

スペクトラムアナライザ MS2830A
スペクトラムアナライザ MS2840A
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