5Gのエリア評価をするためのポイント
まずはじめに、通信や放送のサービスエリアを評価するには、アンテナを使用して電界強度を測定するのが一般的です。
AM放送やFM放送等、アナログ変調のエリアを評価するには、スペクトラムアナライザ(以下、スペアナ)のマーカ機能を使用して測定ができます。
図1 FMの電波をスペアナのマーカ機能で測定した画面例
近年の携帯電話やテレビ放送は、デジタル変調化に伴い、周波数軸方向で帯域を持つ信号となり、これらの電界強度を測定するには、スペアナのマーカ機能では測定できず、その帯域すべてを積分するチャネルパワー測定機能にて、電界強度を測定することができます。
図2:デジタル変調波をスペアナのチャネルパワー機能で測定した画面例
では、今回のテーマである5G信号のエリア評価をするために、このチャネルパワー測定機能が使えるか、というと、残念ながら正しい評価はできません。
その主な理由は、Beamフォーミングの機能があるためです。
図3: Beamフォーミングのイメージ図
この機能は、通信している端末に向けて、時系列にアンテナの指向性を変更して通信するため電波の強さが変動してしまうからです。
そこで、正しいエリア評価ができるように、3GPP(5Gの規格を決める団体)では、SS-Blockという定量的な信号を周期的に埋め込んでこの信号を抽出、解析、測定することで、実現できるようになっています。
「SS-Block」 はSynchronization Signal Blockの略で同期信号のことを指します。
携帯電話との通信接続のための信号が含まれます。
このことから、残念ながらレベルを測ることしかできないスペアナでは、正しい評価ができません。
5Gのエリア評価をする際には、SS-Blockを測定する機能がついた測定器(例えばML8780J エリアテスタ)を使用することが必要です。
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■ 最後に、確認クイズです!
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問題:5Gのエリア評価をする際には、どのような測定器が必要でしょうか?
1.マーカ機能がついた高性能スペアナを使用する2.SS-Blockを測定する機能がついた測定器を使用する
3.チャネルパワー測定機能がついたリアルタイムスペアナを使用する
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ご回答の際、今後のコラムで取り上げて欲しいテーマやご感想なども添えていただけると幸いです。
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