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無線設備の送信評価で使用する測定機能<第4弾> スプリアス発射

 
<参考>
第1弾: 周波数カウンタはこちら

第2弾: 占有周波数帯幅 はこちら
第3弾: 隣接チャネル漏えい電力はこちら

       

無線設備規則は、周波数、占有周波数帯幅、スプリアス発射*1、空中線電力、隣接チャネル漏えい電力など無線設備等に関する条件を規定する総務省令です。
1:スプリアス発射又は不要発射の強度

4では、スペクトラムアナライザのスプリアス発射の測定機能についてご紹介します。

スプリアス発射の許容値:
スプリアス発射は、無線設備規則の第七条および別表第三号などに記載されています。

コチラも合わせてご覧ください:「無線設備規則」<第4弾> ~スプリアス~」
          

少し詳しい解説について、下記もご覧ください

1弾:新スプリアス規格ってなに?旧規格とのちがいは?     

2弾:スぺクトラムアナライザのカタログスペックにある位相雑音とは?      

3弾:スプリアス規格改定で定義された「下限/上限周波数」と「BN」とは?

4弾:スプリアス規格改定で定義された「帯域外領域」と「スプリアス領域」とは?

5弾:スプリアス測定時の参照帯域幅とは?   


スプリアス発射の測定:

スプリアス発射を測定する方法/手順は、それぞれの無線設備に対応する証明規則に準じて評価します。

許容値について、搬送波の電力と不要発射の電力の相対値[dBc]』で規定されるケースと、不要発射の電力の絶対値[dBm]』で規定されるケースがあります。
いずれも、スプリアス領域の不要発射を
探索して許容値に対するマージンを判断します。
仮にマージンがなければ、追加手順として詳細な
測定を実行します。

一例として、狭帯域無線*2のスプリアス発射を測定する場合を図1に示します。
この例では、周波数範囲が11種類になります。

2:チャネル間隔 6.25k/12.5k/25kHz


このようにいくつかの周波数範囲に分けて、それぞれリファレンスレベル・アッテネータ・検波・RBW/VBW・掃引時間・トレースポイントなどパラメータを別々に設定してから測定する必要があります。
また、許容値も周波数範囲ごとに異なります。

そのため、パラメータの設定にかかる作業負担が大きく、設定ミスのリスクも高い評価と言えます。

202401-測定のツボ図1.png

1: スプリアス発射測定時のセグメント分割のイメージ

(例:狭帯域無線かつVHF帯の無線設備を想定)


スプリアス発射の測定機能:

メーカ・機種によりますが、スプリアス発射の測定機能が実装されている製品もあります。
しかしスプリアス発射の測定方法/
手順は複雑なので、測定機能だけで完結できないケースがあります。
その場合、他の基本機能を手操作で切り替えながら評価する必要があります。
測定機能で対応できる範囲は、メーカ・機種によって異なりますのでご注意ください。

202401-測定のツボ図2-1.png
202401-測定のツボ図2-2.png

スペクトラムマスタ

MS2720T

スペクトラムアナライザ(シグナルアナライザ)

MS2830A/MS2840A


2 アンリツ製品:スペクトラムアナライザ


スプリアス発射の測定機能について、弊社のMS2830Aをサンプルとして解説します。

この機能では、スプリアス発射の探索を自動実行します。
(搬送波電力およびスプリアス発射の測定は別途手操作にて測定することを推奨します。)
この機能では、測定対象の周波数範囲(セグメント)を最大20個まで設定できます。
それぞれのセグメントでは、パラメータと許容値を別々に設定できます。(3-1参照)

202401-測定のツボ図3-1.png
3-1MS2830A スプリアス発射 設定画面例
(セグメント6 の例)

実行すると、周波数範囲とパラメータを自動的に切り替えながら探索して、それぞれのセグメントのピークの周波数とレベルを測定して、許容値と比較して合否判定します。
設定条件を保存しておくことで、次回以降はそれらを読み出して実行するだけで評価できるので、作業負担を軽減し、設定ミスのリスクを回避できます。
結果は、セグメントごとに画面と数値がキープされており測定後に切り替えて確認できます。
画面の上側にはスペクトラムを表示し、下側には数値結果を表示します。
(3-2参照
)

202401-測定のツボ図3-2.png
3-2MS2830A スプリアス発射 測定画面例
(セグメント6 の例)



送信特性の測定機能/ツール:

さらに、周波数、占有周波数帯幅、スプリアス発射、空中線電力、隣接チャネル漏えい電力などの送信特性をまとめて測定するツールもあります。
こちらも
メーカ・機種によって異なりますのでご注意ください。



デジタル業務用無線機 自動測定機能
MX283060A

シグナルアナライザMS2830A/MS2840Aを制御して、パラメータ設定、測定実行、測定結果取得(数値・画面) を自動実行して無線設備の送信特性を評価します。
いくつか規格に適応する設定がプリセットされており、さらに任意設定により幅広い無線設備でご利用いただけます。

202401-測定のツボ図4.png

Ø機器構成と測定項目: 基本的な送信特性評価をサポート

基本構成】:スペクトラムアナライザ/パワーメータ別売/MX283060A デジタル業務用無線機 自動測定機能
     周波数・電力・スプリアス・占有周波数帯幅・隣接チャネル漏えい電力

拡張1】   MX269017A ベクトル変調解析ソフトウェア
     変調精度(EVMFSKエラー・Modulation Fidelity)・周波数・電力

拡張2】   MX283018A アナログ測定ソフトウェア
     最大/
最小周波数偏位・伝送速度精度



アナログ無線機自動測定ソフトウェア
MX283058A

シグナルアナライザMS2830Aは、オプションでアナログ変調解析機能・アナログ信号発生器・オーディオアナライザ/ジェネレータを内蔵できます。

MX283058AからMS2830Aを制御して、パラメータ設定、測定実行、測定結果取得(数値・画面) を自動実行して、『FM』無線機の送信特性と受信特性を評価します。                  

Ø測定項目: 送信&受信特性評価をサポート

送信特性:電力、周波数、FM偏移、マイク入力感度、変調周波数特性、変調歪、変調S/NAFトーン周波数

受信特性:受信感度(NQS法・SINAD法)、帯域幅、AFレベル、復調周波数特性、復調歪、復調S/N、スケルチ感度


                                

※本記載内容は2024年1月1日現在のものです。


【関連製品/資料のご紹介】                                  

製品ページ:

シグナルアナライザ MS2830A

デジタル業務用無線機の送信試験に:デジタル業務用無縁器 自動測定機能 MX283060A

スペクトラムマスタ MS2720T


関連資料:

デジタル業務用無線機 自動測定機能 MX283060A(製品紹介)

デジタル業務用無線機 自動測定機能 MX283060A(リーフレット)

アナログ無線機自動測定ソフトウェア MX283058A(操作手順)





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アンリツ株式会社 通信計測カンパニー グローバルセールスセンター 通信計測営業本部 第1営業推進部

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